成田 瑞    精神科専門医・精神保健指定医・医学博士

 

 精神科医・研究者の成田 瑞です。臨床精神医学と公衆衛生学の専門家として、うつ病をはじめとする精神疾患の予防に関するエビデンスや、最新の精神医学・疫学の知見を、わかりやすくお伝えしています。最先端の研究成果に基づき、心の健康を守るための情報を発信してまいります。

 

 SNSの投稿のように、時間が経過と共に鮮度が落ち、見つけにくくなってしまう情報ではなく、患者さんや若手の医療従事者がいつでも必要なときにアクセスでき、長く役立つ情報を提供したいという思いで、このサイトを立ち上げました。ウェブサイト運営はまだ手探りですが、どうぞよろしくお願い申し上げます。



最新書籍紹介

 

 システマティック臨床精神医学 
4つの多元的観点による治療体系化
澤明 監修 / 成田瑞 監訳

ISBN978-4-498-22960-0
(2024年06月発行)

 

 精神科診療はDSMが登場して以来、カテゴリーに"当てはめて"患者さんを診るようになりました。

 しかしこのようなアプローチは簡便である一方で、患者さん固有の苦しみを見落とすリスクがあります。

 本書はジョンズホプキンス病院精神科における、基本的な患者さんとの向き合い方を初学者向けにまとめた本です。

 精神科関係者はもちろん、精神科にご関心のある学生さんや研修医の先生が「精神科の薬が分かる本」の次に読む本としておすすめです。

中外医学社

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これまでの人生

 

灘中高:周りの偏差値100越えの友達を見て、凡人なりに地道に頑張ろうと思う

京大医学部周囲の大切な人たちが相次いで自ら命を絶つ現実に直面し、精神科医になる事を決意

国立国際医療研究センター国府台病院 研修医精神科を中心に幅広い医学知識を習得するために研修医として奮闘

国立精神・神経医療研究センター レジデント精神科の臨床経験と研究の基礎を築くため、日々研鑽を積む

ジョンズホプキンス公衆衛生大学院:ホリー・C・ウィルコックス教授のもと、自殺の疫学研究に従事

ジョンズホプキンス大学 博士研究員:澤 明教授のもと、早期精神病の臨床研究に従事

スタンフォード大学 博士研究員:ノーラン・R・ウィリアムズ准教授のもとニューロモデュレーションの臨床研究に従事

国立精神・神経医療研究センター 精神機能研究室 室長:ビックデータを用いた精神疫学研究等に従事


委員・学会員

 

Asian Journal of Psychiatry 編集委員

日本精神神経学会 ICD-11委員

 

American Psychiatric Association 会員

Society for Epidemiologic Research 会員


受賞など

 

Research Colloquium for Junior Investigators, American Psychiatric Association
米国精神医学会が選ぶ若手精神科医50人として招聘

Graduate Student Conference Travel Award, Johns Hopkins Bloomberg School of Public Health

国際ロータリー財団奨学生

 

埼玉親善大使 


主要な論文&ひとこと紹介

 

クリックで各論文に飛べます。

 

Narita ZC*, Furukawa TA. Misuse of Prediction Models in Psychiatric Research. Lancet Psychiatry (Epub ahead of print).

<ひとこと紹介>精神科領域におけるPrediction Modelの間違った使い方について解説した教育的な論文です。精神医学における最高のジャーナルの一つである「Lancet Psychiatry」に掲載されました。

 

こちらの論文はランセット側に許可を取り、無料でワードファイルを公開しています。

 

Narita Z*, Ando S, Yamasaki S, Miyashita M, DeVylder J, Yamaguchi S, Hosozawa M, Nakanishi M, Hiraiwa-Hasegawa M, Furukawa TA, Kasai K, Nishida A. Association of Problematic Internet Use with Psychotic Experiences and Depression in Adolescents: A Cohort Study. Schizophr Bull (Epub ahead of print).

〈ひとこと紹介〉思春期における不適切なインターネット使用が精神病症状や抑うつのリスクを高めるという研究論文です。
アメリカ議会でTikTokを禁止する議論がある中でタイムリーにトップジャーナルである「Schizophrenia Bulletin」に掲載された論文です。皆さんもイライラしながらSNSのページをスクロールしていませんか?

 

Narita Z*, Shinozaki T, Goto A, Hori H, Kim Y, Wilcox HC, Inoue M, Tsugane S, Sawada N. Time-varying living arrangements and suicide death in the general population sample: 14-year causal survival analysis via pooled logistic regression. Epidemiol Psychiatr Sci. 2024. 23;33:e30.

〈ひとこと紹介〉独居を続けると、自殺や死亡率が高くなる傾向がありますが、途中から誰かと一緒に住むようになった人は、そのリスクがそれほど高くならないという研究論文です。「ハザード」という指標は、仮定が成立しない場合には正確なリスクを示さないことがあります。しかし、この研究では因果生存分析を用いて、そのような仮定の弱点を克服し、より正確なリスク評価を行いました。

 

Narita Z, Hidese S, Kanehara R, Tachimori H, Hori H, Kim Y, Kunugi H, Arima K, Mizukami S, Tanno K, Takanashi N, Yamagishi K, Muraki I, Yasuda N, Saito I, Maruyama K, Yamaji T, Iwasaki M, Inoue M, Tsugane S, Sawada N. Association of sugary drinks, carbonated beverages, vegetable and fruit juices, sweetened and black coffee, and green tea with subsequent depression: a five-year cohort study. Clin Nutr. 2024;43(6):1395-1404.

〈ひとこと紹介〉甘味飲料・炭酸飲料・野菜および果物ジュース・砂糖入りコーヒーで抑うつのリスクが高くなり、ブラックコーヒーで抑うつのリスクが低くなるという研究論文です。「健康のため」に野菜ジュースを飲むのはメンタルヘルスには逆効果という結果でした(糖分が引き起こすBDNFの低下や炎症反応が悪さをしていると考えられます)。

 

Narita Z*, DeVylder J, Yamasaki S, Ando S, Endo K, Miyashita M, Yamaguchi S, Usami S, Stanyon D, Knowles G, Hiraiwa-Hasegawa M, Furukawa TA, Nishida A. Uncovering associations between gender nonconformity, psychosocial factors, and mental health in adolescents: a birth cohort study. Psychol Med. 2024;54(5):921-930.

〈ひとこと紹介〉思春期におけるジェンダーの不一致はメンタルヘルスの不調を引き起こす可能性がありますが、その影響は孤独感やいじめ、他者との関係などの社会的因子によって媒介されるという研究論文です。ジェンダーの不一致に苦しんでいる人を責めることは間違いであり、いじめをなくすなど社会全体が変わる必要があります。

 

Narita Z, Nozaki S, Shikimoto R, Hori H, Kim Y, Mimura M, Tsugane S, Sawada N. Association between vegetable, fruit, and flavonoid-rich fruit consumption in midlife and major depressive disorder in later life: the JPHC Saku Mental Health Study. Transl Psychiatry. 2022;12;412.

〈ひとこと紹介〉果物の摂取が多い人ほどうつ病になりにくいという研究論文です。果物の種類によって大きな差は見られず、安価な果物でも良いので摂取することをおすすめします。

 

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査読歴

 

JAMA Psychiatry

American Journal of Psychiatry

British Journal of Psychiatry

Journal of Neurology, Neurosurgery, and Psychiatry

Schizophrenia Bulletin

Journal of Child Psychology and Psychiatry

JAMA Network Open

Chemosphere

Schizophrenia Research

European Psychiatry

Journal of Affective Disorders

Journal of Psychiatric Research

Psychiatry and Clinical Neurosciences

European Journal of Psychotraumatology

Comprehensive Psychiatry

Early Intervention in Psychiatry

Journal of Medical Internet Research

Progress in Neuropsychopharmacology & Biological Psychiatry

CNS Neuroscience & Therapeutics

BMJ Open

Death Studies

Frontiers in Psychiatry 

Frontiers in Human Neuroscience

PLoS ONE

Quantitative Imaging in Medicine and Surgery

Psychiatry Research Case Reports

Psychiatry and Clinical Neurosciences reports